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入学式〜年度の始まり〜

2017.05.09

 

 

現在の日本の年度の始まりは4月が一般的である。4月入学が当たり前で今まで疑問を抱かなかった。いつから4月が年度のスタートを行うことが一般的になったのであろうか。

 

成り立ち

(年度:特定の目的のために規定された1年間の区切り)

 

官公庁などが予算を執行するための期間である「会計年度」、学校など学年の切り替わりを目的とした「学校年度」だ。会計年度と学校年度はどちらも4月から3月までが区切りだ。

 

会計年度は明治19年に始まった。昔、日本の主産業は稲作で政府の主な税金収入源が農家のお米だった。

 

納税はお米ではなく現金であったため、農家が秋にお米を収穫し、それを現金に換えて納税し予算を編成すると、1月では間に合わず、4月からとするのが良かった。

 

世界一の経済力を誇っていたイギリスの会計年度が4月からだった。

 

当時の日本にとってイギリスは重要な国であったこともあるため、イギリスにならって会計年度を4月からにした。

以前の日本

江戸時代では児童の学ぶの場である寺小屋、藩校、私塾などは入学式が決まっておらずいつでも入学ができ、個人の能力によって勉強の進み方も違ったので一斉に学年が進級することがなかった。

 

しかし、大学ができると外国に倣って一斉入学・一斉進級が良いということで9月から8月という区切りを作った。

 

明治19年に会計年度が始まり、明治の終わりごろになると国が積極的に学校年度の統一を指導するようになり、国や県から補助金をもらっている学校は会計年度に合わせて4月入学に変わっていく。

 

その後、明治時代のはじめに西洋の教育が導入され高等教育では9月入学が主流となった。高等師範学校が最も早く明治25年、小学校は同33年、大学は大正7年に4月が新年度の始まる。つまり当初は海外と同じ9月が導入。

 

しかし、西洋に追いつこうと国の経済力向上を目指した富国強兵の影響で様々な新年度が4月から始まるようになった。昭和に入るとほぼすべての学校で4月始まりの年度に統一。

 

高校や大学も9月から4月入学に変化していきそれが今もなお定着している。

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海外の年度

それに対して、海外はどうなのであろうか。

 

海外ではアメリカ、中国、カナダなどほとんどの国が9月入学を採用している。特に先進国は9月入学で秋学期スタートを採用している。もし、日本が海外と同様に秋学期をスタートにすると海外とのサイクルが同じになり、海外からの留学生を受け入れやすくなったり日本人学生が海外へ留学しに行きやすいという利点がある。

 

しかし、現在日本では試験などが、春の卒業を前提としてスケジュールを組んでいることや就活時期も4月に統一されていることもあり一括して秋学期を新年度のスタートとして再調整しづらいという障壁がある。

 

4月スタートは世界でも稀であるが、これほどにまで政治と教育の年度が連動している先進国は少ない。

 

世界的に見ると、日本の働き方は終身雇用制が一般的だ。それが一番有利になる日本の働き方の特徴ですが、企業と学校の年度を連動させている大きな原因の一つだ。

 

日本の新学期スタート時期には歴史があり、今では入学式、桜、出会いなど様々な風情や趣がある。

 

また、日本には四季があり一時的で儚さがあるものに季節を感じ、趣深く感じるのではないであろうか。

 

海外留学や外国人労働者を増やしグローバル化を勧めたいのであれば、4月スタートにしないほうが対応しやすい。

 

だが、秋学期スタートか春学期スタートかどちらが正解かはわからないが、日本人にとって米作りが始まる時期の4月が一番落ち着くのではないか。

日本で感じられる季節、出会いを味わうべきであるだろう。

 

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後藤 隆星

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