
美女と野獣ならぬ”美女と昆虫”の組み合わせで注目を集めるReina+Worldさん。彼女の歩んできた道は、一般的なキャリアパスとは一線を画します。その根底には、科学への深い愛情と、自らの経験を社会に役立てたいという使命感が息づいていました。
多彩すぎる顔を持つ謎めいたインフルエンサー
レイナさんの公式Instagramを開くと、まず目に飛び込むのは華やかで美しい写真の数々。そして「モデル/ シンガーソングライター/アナウンサー/チョウの生態研究者/科学教室講師/アパレルデザイナー」と、多彩すぎる肩書きに驚かされます。

一方で「今日の虫紹介」といったユニークなストーリーズで虫たちをポジティブに紹介し、多くの人へ関心を促しています。自身の写真を投稿するだけではない、謎の美女。一体どんな人物なのでしょうか。
「ブラックラボ」を乗り越え、新たな光を見出した大学院時代
小学校時代に科学への関心が芽生えたというレイナさん。生命の神秘や病気のメカニズムに興味を持ち、将来はがん研究に携わりたいという夢を抱きます。千葉大学での学生時代には音楽活動を始め、ステージで自作曲を披露するなど、アーティストの一面も覗かせていました。

2014年、レイナさんは東京大学大学院理学系研究科へと進学。より深く生命の根源に迫る基礎研究、特に心臓の再生医療の分野で学びを深めることを決意しました。
しかし、研究の道は思わぬ障害に溢れていました。理系学生の間で「ブラックラボ」と呼ばれる研究室にあたり、研究成果を巡るアカハラ、パワハラやセクハラに深く傷つき、心身ともに厳しい時期を経験したといいます。


「ストレスによる鬱や過食を経験し、絶望的な気分でしたが、アカハラの訴えは大学院内で大きな問題として取り上げられました。研究室の移動も認められたので、子供のころから好きだった昆虫のラボへ行きたいと思ったんです」
ようやくたどり着いた昆虫の研究室で、真っ当なサイエンスに伸び伸びと打ち込める環境を見つけ、再び研究の喜びに触れることができました。
逆境に磨かれた美しさと、アイデアで築いた発信力
困難の時期を経て、レイナさんは心身をケアするためトレーニングを開始。ダイエットに関する知識を深めて食生活を見直した結果、半年間で16kgもの減量に成功しました。この変革は話題を呼び、彼女の長年の夢であったレースクイーンへとつながります。2021年には4輪と2輪の主要レースで活躍。研究を最優先しつつも、レースクイーンやタレント活動に全力で取り組む日々は、まさに多忙を極めました。



「昆虫の研究室では、社会性昆虫の脳の構造、細胞種の構成を研究していました。特にゴキブリの脳の仕組みを調べていた…と言うとビックリされます(笑)SNSにレースクイーンやグラビアの写真と共に自分の研究内容を投稿して、多くの人に面白がってもらえたら、研究や昆虫にも興味を持ってもらえるかな?と思って、色々なパターンを試しました」

こうした工夫が功を奏し、レイナさんのSNSはXのフォロワー4万人、Instagramのフォロワー3万人超の人気アカウントに成長しました。しかし、大学院では過去の厳しい研究環境が影響し、惜しくも博士号取得が叶わなかったそうです。「本当に悔しかった」と率直に過去を振り返るレイナさんですが、自身の経験と発信力を大いに活用し、研究者の現状や、より良い環境の必要性を社会に伝えようと決心します。
科学と昆虫をもっと愛してもらうために
大学で研究を続ける夢は叶わずとも、レイナさんの科学への情熱が尽きることはありませんでした。埼玉県内の休耕田に自然発生した森林緑地を『ゆるむしの森』と名付け、そこでチョウの生態研究や調査を進めながら、自然観察や科学教育ワークショップを行う「ゆるむしの森プロジェクト」を発足。将来は株式会社化を見据えているそうです。ShibuyaCross-FMで自身がパーソナリティを務める「ムシラジ!」では、サイエンスバラエティーと称してリスナーと科学相談をしたり、科学ニュースを伝えます。
「研究者として子供たちへ科学の楽しさを伝え、『虫お姉さん』と親しまれるようなサイエンスコミュニケーターを目指したい」と語る言葉通り、あらゆる角度から自分の可能性を試し続けます。

さらに今年、レイナさんは自身の新たな挑戦として、アパレルブランド「Papilio Ulysses(パピリオユリシス)」を立ち上げました。このブランド名は、彼女が一番好きだという「幸せを運ぶチョウ、オオルリアゲハの学名」が由来。ユニセックス、カジュアルなアイテムから展開し、7月のオープンでは本格的な女性アパレルも公開、販売を予定しています。

レイナさんはブランド立ち上げの思いを次のように語っています。
「これまでのタレント活動だけでは『科学や昆虫の魅力を広めたい』という想いを伝えきれないと感じ、『昆虫をモチーフにした服を作れば、もっと広く一般の方に手に取って貰えるのでは』と考えました。生地選びから製作まで全て一人で手掛け、本格的な服飾を学ぶ機会となり、また人生の幅が広がった気がします。この信念が詰まったブランドをぜひ多くの方に知って頂きたく、皆様のお力をお借りしたいです」
複雑に見えるレイナさんのキャリアは、困難を乗り越え、自身の経験と情熱を社会へ伝える活動の賜物でした。さまざまな活動の根底には「科学や昆虫の魅力を多くの人に伝えたい」という一貫した想いがあります。彼女のしなやかな強さと前向きな姿は、きっと多くの人に勇気を与えてくれることでしょう。


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